R6.11       マイコプラズマ肺炎

 

過去10年で最多の勢いで、今後冬にかけて更に感染拡大の恐れがあり感染者が増える見込みそうです。

 

マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ・ニューモニエ」という細菌による感染症で、くしゃみや咳のしぶきなどを通して感染し、熱や咳、倦怠感や頭痛が出ます。

 

潜伏期間が2〜3週間と長く症状としては、一般的な風邪の症状が見られます。 症状が軽い場合は、自然に回復することもあるが、一部の患者は肺炎が重症化して入院が必要になることがあり又脳炎などを引き起こすこともあります。  

 
患者は、14歳以下の子どもに多いとのこと、又成人は、比較的30代以下の若い世代で基礎疾患の無い人がかかるケースが多いようです。
 
抗菌薬による治療で多くは症状が改善、アレルギーが疑われる場合は、ステロイドを使用する場合もあります。
潜伏期間が長い為、家族らに症状が出て忘れたころ自分に症状が出ることがあります。咳が長引くため、診断がつきにくく家族全員が感染することが多く厄介な感染症と言えます。
 
咳などで飛散しやすく(飛沫感染)、汚染されたオモチャやタオルなどで感染(接触感染)するケースも多く、小さいお子さんは特にオモチャ等は口に入れやすいですから、日頃から丁寧に除菌したりと衛生面に気を付ける事も大事です。
まずは子どもの体調管理に気を付けて、手洗い、うがいの励行健康管理に気を付けてあげましょう。
 
 

                <子どもの急な病気と救急医療について>

 
お子さんが休日や真夜中中に突然具合が悪くなったら救急外来を受診すべきか、または翌日待ってかかりつけ医にかかるか・・・本当に判断に困ってしまいますね。
 
今回は、そういう時の為に是非知っておいて頂きたい情報をお知らせしたいと思います。
どうしていいか分からないような時は、「熊本県子ども医療電話相談:電話番号#8000」に相談してみましょう。
(ダイヤル回線、IP電話、光電話の場合:Tel 096-364-9999)又、熊本県ホームページの小児救急ガイドブック「子どものケガ・急病について」を参照。
尚、熊本市での夜間救急医療は、熊本赤十字病院と熊本地域医療センターが担っています。
平日は、市内の当番医が交代で当たっています。
夜間の混雑をできるだけ避けるためにも、お子さんの様子がいつもと比べおかしいようでしたら日中かかりつけ医に受診されることをお勧めします。
コロナ流行後は、マスクなどの感染対策の徹底などにより子どもの感染症が大幅に減少しましたが、今後は又マスク着用緩和や社会活動の活発化により、再び子どもの感染症が増えるのではないかと懸念されています。
これからも基本的な生活習慣として手洗いうがいをけっして怠らないようにしましょう。
 
 
又コロナ禍で予防接種を受けていないお子さんも例年に比べ多いようです。
予防接種は、子どもを社会から守る上でも必要であり予防できる重要な病気から守るためにもなるべく予定通りに受けるようにしましょう。
乳幼児健診の目的は、年齢ごとに起こりやすい病気や問題を早めに見つけて治療などに結び付けることです。予防接種についても、感染症にかかる前に接種することが極めて重要と思われます。
新型コロナウイルス感染症対策も大事ですが、極端な制限によって予防できる他の重要な病気の危険性にさらされることを避ける必要もあります。
今後も数か月単位での流行が想定され、その前に乳幼児健診や予防接種を回避するデメリットは大きいと考えられます。
集団・個別に関係なく、一般的な感染症対策として、子どもや付き添いの保護者の方については、これまで同様発熱や咳がないことを確認して受診されてください。
又、最近インフルエンザが季節に関係なく流行っており休校学校閉鎖も見受けられます。これからも感染を防ぐために手洗い・うがいの徹底がもとめられますね。
 

               <新型コロナウイルスについて>

 
3年目を迎えたコロナ、この頃は学校(部活など)保育園などの子どもの感染がよく聞かれます。
しかし、1~2年目の恐怖感と比較しますと緊張感が薄れてきてるように感じます。行政機関も経済面を留意するあまりこれまでのような行動制限もあまり聞かれなくなりました。各個人の自覚が求められる昨今です。
ただ気になるのがコロナ後遺症です。後遺症も一定ではなく一人ひとり症状が異なるようです。
子どもの後遺症としては、やはり大人と同じく臭覚、味覚障害、全身の倦怠感、呼吸困難などが報告されています。
子供も中学生位になると、発熱も1~3日位で平熱に戻り大した事態に至らなかったという話もよく聞かれますが怖いのはその後の後遺症です。
何事もなく普段に戻ることが出来れば幸いですが、しばらく経って頭痛が取れない、喉の違和感が残っている、やる気集中力が出ない等、深刻な症状を抱えている子どもや大人も多く大変心配な状況です。
熊本でも、コロナ後遺症外来に特化した病院が出来ています。
子どもは、低年齢になるほど大人と違って臭覚機能障害が少ないと考えられています。訴える力が困難であるため、注意深く見守る必要があります。いずれにしても、大人から子どもに感染させることが多いわけですから、大人は自分の行動に十分気を付け最新の注意を払う必要があります。
 
「手洗い・うがい」は当然の基本策として一人ひとりが慣れ合いにならないよう、自分の行動を今一度見つめ直す姿勢が大切ですね。
 
          [RSウイルス]
 
水のような鼻水、鼻づまり、ひどい咳、むせるような咳、呼吸数が多くなる多呼吸や肋骨の下がへこむ陥没呼吸、呼吸をさぼる無呼吸、1歳位までの小さな子ども特に早く生まれた低出生体重児や心臓に病気を持っている子どもは注意が必要です。
 
          [インフルエンザについて]
 
インフルエンザウイルスによる急性の呼吸器系感染症です。ウイルスには、A型とB型が知られています。一般的にA型の方がB型よりも症状が強く出ます。感染すると、発熱、頭痛、全身のだるさ、筋肉や関節の痛みなどが見られ、その後鼻水、咳などの呼吸器症状が現れます。いわゆる普通の風邪と比べて全身症状が強い事が特徴です。
通常は、1週間前後で良くなります。抗インフルエンザ薬を服用することで発熱期間を1~1.5日短くすることが報告されています。
 
又、日本小児学会ではインフルエンザワクチンについて、6か月~13歳未満については2回接種、13歳以上については1回もしくは2回接種を推奨しています。2回接種する場合は、2週間から4週間あけることが示されていますが、3週間以上あけて接種する方がより効果的と言われています。
 
 

              <新型コロナウィルスについて>

 

新型コロナウィルスの影響で、気分が落ち込むそんな日々をお過ごしの方が多いことかと思います。

子ども達も、学校の休校を始め、幼稚園や学童施設、又一部の保育園の休園も相次ぎ、自宅に閉じこもるそんな毎日を過ごしています。

コロナウィルスの一日も早い終息を願い、いつもの元気に遊びまわる子ども達の姿を一刻も早く目にしたいものです。

新型コロナウィルスに感染した場合、大人も子どもも症状に大きな差はないとされています。いざという時に、焦らず対処出来るように新型コロナウィルスに感染した時の症状を確認しておきましょう。

(小児学会の「新型コロナウィルス感染症に関するQ&Aについて」参照)

新型コロナウィルスに感染した場合、発熱、乾いた咳、だるい、などの倦怠感を訴える一方で、鼻汁や鼻づまりなどの症状は、比較的少ないとされています。一部の患者の中には、嘔吐、腹痛や下痢などの消化器症状を訴える人もみられるようです。

子どもが発症した場合、1~2週間で回復しているケースが殆どのようですが、37.5℃以上の熱が4日以上続く場合は、適切な医療機関を受診しましょう。

明らかに、、子どもの体温が上がっていれば大人が気づく事が出来ます。

しかしだるかったり、頭痛がしたりなどの倦怠感の症状は、子どもは正確には訴えることが出来ない場合が多いでしょう。(特に赤ちゃんは、気づいてあげることが重要となります。)いつもより元気が無い、ぐったりしている、ぐずるなど、いつもと様子が違う場合は、直ぐに体温を測りメモしておくようにしましょう。しっかり見守ってあげることでいざという時に対処し易くなります。

現在、子どもが新型コロナウィルスに感染した場合でも、軽症で完治しているケースが殆どとされています。しかし、感染後1週間頃から呼吸状態が突然に悪化する可能性も指摘されています。子どもの月齢、年齢、体調によっては、重症化する危険性も考慮して日頃よりお子さんの体調や様子をしっかりと見守ってあげましょう。(令和2年)

 

 

              <インフルエンザの予防と対応>

 

長い暑かった夏も終りを告げ10月に入りました。今年は、例年にない早い勢いでインフルエンザが都市部を中心に流行しつつあります。小学校では、休校している学校も見受けられます。

通常、学校保健安全法で規定されている「学校感染症」では、インフルエンザの出席停止期間は解熱後2日まで、又厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」においては、症状が始まった日から7日目まで、発症から(発熱)1週間を目安と考えていいでしょう。抗インフルエンザ薬によって、早めに熱が下がる場合が多く見られますが、その後も少量ながら感染力のあるウィルスが排出されることは稀ではないので、拡大の予防という観点では発熱から5日ないし1週間の登校登園停止が妥当であると考えられます。

インフルエンザにはワクチンがあり任意接種となっています。又、2回接種が原則となっており今シーズンから1回あたりの摂取量の変更が行われWHOが推奨する摂取量と同じになりました。

日頃の予防策としては、うがい、手洗い、マスク着用は感染症予防の基本です。人に移さないという観点からの予防対策の考え方がより重要です。(令和2年)

 

 

 

<RSウィルス感染症>

 

小児でも特に0歳から1歳児に多い感染症です。多くの場合は、風邪の症状で始まりますが、ぜこぜこする喘息の様な咳が長引いたり、気管支炎や肺炎の原因にもなりやすく、稀に突然死の原因にもなると言われています。

飛沫感染、接触感染が感染経路で再感染を繰り返しながら次第に免疫が強くなるので、再感染、再々感染では軽い症状に留まるようになってきますが、初感染時にもっとも重症化しやすく注意が必要です。ワクチンは、研究開発中ですが実用化されているものはありません。

 

 

これらの感染経路は、飛沫感染、接触感染が主になります。

予防の基本は、手洗いです。手洗いを日頃から習慣づけることで、飛沫、接触感染する感染症の流行抑制につながります。手洗い時に重要な事は、手を洗った後、きれいな布やペーパータオルなどで、きれいに手を拭くことで、タオルの共有はさけなくてはありません。(令和2年)

 

 

-----------------------------前回の健康一口メモ-------------------------------

 

子供達にとっては待ちに待った夏休み!!

水遊び・花火・昆虫捕りと毎日元気いっぱい~(^O^)/

でも 夏になると子ども中心に増えて来る感染症も心配です。

中でも、最近よく見受けられるのが、手足口病や咽頭結膜熱(プール熱)です。

症状など注意し事前の感染対策に日頃からこころがけましょう。

 

<手足口病>

この病気は、夏季に流行する感染症で7月から8月にかけてピークを迎えます。

手・足・口に水ほう性の発疹が出来、時に肘・膝などにも見受けられる事があります。

年齢的には、5歳以下に多く見られ、中でも2歳以下が全体の半数を占めるようです。

潜伏期間3~5日間の後に口腔粘膜・手掌・足底や足背などの四肢末端に2~3mm

の水ほう性発疹が現れます。熱は軽度で、通常3~7日の経過で治ります。

予防対策としては、接触感染(糞口感染)が主な経過ですので、手洗いが重要です。

特にトイレの後の手洗いは普段からのしつけが大切ですね。

 

<咽頭結膜熱(プール熱)>

この病気は、「アデノウイルス」が原因によるもので、プールの水を介して人から人へ

流行が拡大することが多いのが特徴です。主に、6月後半から8月にかけて流行します。

潜伏期間は、2~14日。症状として、咽頭炎(のどの痛み)、結膜炎(目の充血)、高熱

(39℃前後の発熱・数日~1週間)、頭痛、食欲不振、目やに・なみだ目などです。

特効薬はありませんが、のどの痛みや結膜炎などの症状に応じたお薬を処方されるこ

とが多く、のどの痛みにはうがい薬や鎮痛薬、目やにや結膜炎には抗生剤やステロイ

ドの点眼薬、眼のかゆみが強い時は抗ヒスタミン薬やステロイドの点眼薬を処方される

事が多く見られます。

刺激のある食品を避け、のどこしの良い冷たい飲み物が適しています。のどの刺激に

ならないよう、かまずに飲み込めるゼリーやプリン、冷たいおじやなどがお勧めです。

予防対策としては、咳やくしゃみなどの飛沫や手指を介して感染するので、十分な手洗

いと手指消毒が大切です。又、回復後も便にウイルスが排出されているので、トイレ後

やオムツ交換後は手洗いと手指消毒を徹底することが大切です。